前回の続きで、犬用レインウェア作りの手順の説明になります。
使った型紙は前回の記事をご覧ください。
[犬服ハンドメイド] 犬用レインウェアの型紙の作り方・調整方法(無料型紙ダウンロード) | きつねのしっぽ
こちらはナイロンタフタという生地になります。
事前準備:手足裾用のゴムを輪っかにしておく
手足裾用のゴムは、後から通すより中に埋め込んでしまう方が楽なので(ゴムを交換する未来のことは考えていません…)、先に輪っか状のゴムを作っておきます。両手両足分必要なので、4個作ります。
ナイロンを縫っている途中にやると、ゴムが分厚くミシンの調整が面倒なので、先に作ります。
作りたい長さ(3kg程度の小型犬なら13cm目安)+縫い代1.5cmにゴムをカットして、普通ミシンで往復して縫い留めておきます。ゴム巾が5mmくらいあれば普通に縫えますが、巾が細いと難しいかもしれません。
針・糸・ミシンの準備
レインウェアなのでナイロン系の布だと思いますが、針と糸は普通のもの(針は11号、糸はスパン糸#60など)で大丈夫です。今回はナイロンの中でもかなり薄手のナイロンタフタという生地を使用しています。ミシン押さえは、「スムース押さえ」の方が良いかと思います。
ナイロン素材はチャコペンが上手く書けなかったり、裁ちばさみで切ろうにもするする滑って思うようにカットできなかったのですが、普通に問題なく家庭用ミシンで縫えました。
手順1:フードを作る
(ミスってもあまり影響のない)フードを先に作ります!3枚のパーツを縫い合わせ、フードの上部分を三つ折りにして端処理します。
縫いました。
(うちの犬は立ち耳だしフード被らないので)私としてはフードは飾りなので顔側の処理は三つ折りで終了ですが、お好みでここは後からゴム紐を通して絞れるようにすると良さそうです。
手順2:上半身5パーツを縫い合わせる
もしリード用(ハーネス用)の穴が必要だったら、一番最初に背中部分に長めのボタンホールをつけておくと良いです(最後にやって失敗すると悲しいため)。首輪で良ければ不要です。
私は、手持ちの服を真似て上から2cmのあたりに3.5cmくらい?の長めのボタンホールを作りました。ナイロンタフタのような薄い生地だと1枚では上手く縫えないので、裏に1枚噛ませて縫っています。ですが、結局いつも使っているハーネスだとちょっと形状の問題でちょっと無理でした… 諦めて首輪を使います。
【追記】ボタンホールでリード穴をつけていたのですが、後日、補強布を使った穴に変更しました。
[手作り犬服] 犬用の服にリード・ハーネス用の穴を開ける方法 | きつねのしっぽ
それでは本題です。まずは上半身のパーツを縫い合わせます。
ラグラン袖の洋服を作るのと同じです。袖のカーブ+前身頃のカーブがちょっと難しいので先に縫い合わせると楽かもしれません。
縫いました。
手順3:縫い合わせた上半身の首周りにフードを縫い付ける
まず中心を合わせ、次に両端(前身頃の左右重なり部分の縫いしろに重ならない所まで)を合わせて、縫い合わせていきます。
手順4:前身頃の処理をする
前身頃の左右重なり部分の処理です。縦の端(=上下のあたる部分)を折った状態で、左右の重なり部分が2cmになるよう三つ折りにし、布端が出ないようにします。
縫いました。
私はこの左右重なり部分の2cmはスナップボタンなどで閉じられるように作りましたが、お好みでマジックテープやスナップテープ等でも良いかもしれません。
なお、スナップボタンは、ナイロンタフタ等の薄い生地には取り付けできないものが多いので、状況に応じて芯地等を中に入れてから縫うのも良いかもしれません。
私は接着芯を入れなかったので、スナップパッキンというシールでボタンを取り付けました。
スナップパッキンの使い方~薄手生地にもスナップボタン取り付けが可能に! | きつねのしっぽ
手順5:上半身の脇を縫い合わせる
ラグラン袖の洋服と同様、袖口からお腹までの脇部分を縫い合わせます。
縫いました。
手順6:パンツ部分の脇を縫い合わせる
パンツ部分の脇も縫い合わせておきます。
手順7:手足の裾にゴムを縫い込む
ここで最初に用意しておいた輪っか状のゴムを使います。最初は難しい…と思いましたが、慣れるとわりと簡単です。両手両足で4回やりますが、足裾の方が巾も広く簡単なので、先にやるといいです。
ゴムを埋め込むギャザー袖の作り方
生地の表を表にした状態で内側から縫います。
今回は袖口と足裾の縫い代が2cmなので、袖口を内側に1cm弱折り返した所にゴムを入れ、もう一度1cmゴムを包む感じで折ります。(私はその到着点の目印として、出来上がり線の内側1cmの所にも線をひいて作業しています。)ゴムを一緒に縫ってしまわないように、指でゴムを右に寄せつつ縫うと良いです。
その折った端をぐるっと一周縫っていきます。ゴムの方を手前にまっすぐ引っ張りながらちょっとずつ縫うと非常にやりやすいです。袖口ギャザーのできあがりです!
手順8:上半身とパンツ部分を縫い合わせる
上半身とパンツ部分を縫い合わせます。直線なので簡単ですが、足の左右の間違いに注意です!足側が大きくえぐれている方がお尻側、小さい方がお腹側になるようにします。
縫いました。
手順9:お腹から足周りの処理をする
いろいろなやり方があると思いますが、初心者なので簡単そうなバイアステープで処理します。前身頃から足の内側、尻尾の上を通って反対側の足と前身頃までです。
ですが、形としてはほぼ完成しているので、先にこの時点で一度着せてみると良いと思います。
足からお腹周りの穴が開すぎかな?と思ったら、ここのバイアス処理でギャザーを寄せれば多少縮めることができます。全然穴が大きすぎるようなら、本体パーツと足パーツが別れているので、縫直しが可能です。
なんの写真なんだか全くわからないですね…。バイアステープ処理する部分は縫い代は不要なので、余分な布部分を先にカットして、始点と終点=左右の前身頃、中間地点(尻尾の真上)を仮どめしてから縫い付けます。
バイアステープの付け方としては、まず、生地の裏側から広げたテープの端を重ね、テープの最初の折り目付近を1回縫い付けます。次に、生地を表にして、バイアステープで本体の布端を包み込みつつ4つ折り状態にして、もう一度縫い付けます。
裏から1回、表から1回、合計2回縫うことで、縫っている裏側のバイアステープが落っこちて布から外れちゃってる…ということが起こりません。
バイアステープの付け方は、こちらの記事の方がわかりやすいかもしれません。
[手作り犬服] ロンパース(ラグラン袖・お腹ゴム入り)の作り方手順 | きつねのしっぽ
完成
これで形としては完成です!
後は、前身頃にスナップボタン等をつければ完成ですが、ナイロンタフタ生地にスナップボタンを取り付ける方法は別記事にしています。
スナップパッキンの使い方~薄手生地にもスナップボタン取り付けが可能に! | きつねのしっぽ
完成!