福祉助成での補聴器購入と医療費控除の流れ

難聴

こんにちわ。私の母は高齢のため難聴で補聴器を使用していますが、この度障害者手帳を取得し、補聴器購入(補装具費支給)の助成を受けることができたので、その流れをまとめておきます。

また、補聴器購入費用の医療費控除申請についても書いておきます。補聴器購入者と家計を同一にする家族の所得税・住民税が少なくなりますので、こちらも参考になれば幸いです。

いくつかの書類の準備が必要だったりいろいろ手続きが複雑なので、もしご両親に補聴器をおすすめしたい場合や、既に購入・買い替えを検討されている場合は、なるべくサポートしてあげてくださいね。

また、前半の流れは難聴で身体障害者手帳を取得する流れと同じです。前回の記事もあわせてご覧ください。

補聴器購入費の助成(補装具費支給)について

難聴で身体障害者手帳を取得した場合、2級・3級・4級・6級、どの等級も補聴器購入の助成はあります

ただし、補聴器の安いモデルの片耳分の金額しか出ない決まりになっているそうで、助成金の金額としては6万円弱程度(57,439円)になります。両耳分を購入する場合(通常両耳分だと思います)、これより高額な商品を購入する場合は、その差額を自分で負担することになります。

また、補聴器のメーカーや機種、購入先の指定はありません。

手帳と同時進行可能

また、自治体の申請窓口は障害者手帳交付窓口と同じなので、手帳交付申請と補聴器購入費助成の申請は同時に進めることができます。

補聴器購入費用は医療費控除の対象

補聴器購入費用は、特定の書類を準備すれば医療費控除の対象になります。

「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」により、補聴器が診療等のために直接必要である旨を証明している場合には、当該補聴器の購入費用(一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額に限ります。)は、医療費控除の対象になります。
出典:補聴器の購入費用に係る医療費控除の取扱いについて(情報)|国税庁

と国税庁HPに明記されています。

補聴器購入者が医療費控除を受けるために
1.難聴患者は、まず補聴器相談医を受診し、必要な問診・検査を受ける。
2.補聴器相談医は「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」に必要な事項を記入し*1、患者に手渡す*2。
3.患者は補聴器販売店に行き、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」を提出し、試用の後、補聴器を購入する。
4.患者は「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」の写しと補聴器の領収書を受け取り、当該年度の確定申告における医療費控除対象として申請し、保存する。(税務署から求めがあった場合は、これを提出する。)
出典:補聴器購入者が医療費控除を受けるために:一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会

日本耳鼻咽喉科学会のHPにも、控除を受けるまでの流れの記載があります。補聴器は高額になりがちですが、医療費控除を活用することで住民税・所得税が安くなります。

それでは、補聴器購入費用の助成の申請と購入までの流れです。

手順1. 医療機関にて検査・意見書作成を依頼

まずは、補聴器相談医に認定されている医療機関へ受診してください。下のリンクから地域別のPDFが見れますので、お近くの認定医を探してください。

▽日本耳鼻咽喉科学会 認定補聴器相談医
http://www.jibika.or.jp/members/nintei/hochouki/hochouki.html

まずは聴力検査を受けることになると思いますが、先生に補聴器購入の助成を受けたいと伝え、必要な書類の作成をお願いします。「相談記録票及び医学的判定(意見)書」という書類で、障害者手帳の申請に必要な書類と同一です。

医療費控除のための書類の依頼

また、医療費控除も検討している場合は、「補聴器購入費を医療費控除にしたいので、その書類もお願いします」と伝えましょう。上述の「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」という書類になります。

医療機関により料金は異なりますが、どちらも書類作成費用として3,000~5,000円程度、期間も1週間ほどかかる場合が多いようです。

手順2. 医療機関にて書類の受け取り

後日、作成してもらった書類「相談記録票及び医学的判定(意見)書」を受け取ります。

「補聴器適合に関する診療情報提供書」の内容確認!

医療費控除に必要な「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」ですが、「5.難聴・補聴器に関する情報」の項目の[特記事項]内、「(□医師等による診療や治療を受けるために直接必要)」の箇所のチェックを必ず確認してください。この部分のチェックが「医療費控除とするために必須の項目、論拠となります」と日本耳鼻咽喉科学会HPに記載されています。

私はここにチェックが入っていなかったので、再度病院へ行く羽目になりました…

手順3. 補聴器ショップで見積もり作成を依頼

医療機関での検査結果と作成してもらった書類を持参して、補聴器ショップへ行きます。購入を検討していること、予算や希望を伝えれば、検査結果と照らし合わせておすすめの機種を紹介してくれると思います。

同時に、「福祉助成を受けたいので、見積書をください」と伝えれば、その場で見積書を作成してくれます。尚、相談記録票及び医学的判定(意見)書の原本は返却してもらえます。

また、医療費控除を受ける場合は、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」を提出し、書類の写しと領収書を受け取り、大事に保存しておきましょう。※一番上の「認定補聴器専門店」の名称欄はもちろん書いてもらってくださいね。

手順4. 障害福祉課にて助成申請

補聴器ショップで作成してもらった見積書を持参し、今度は市区町村の障害福祉課(障害福祉相談課など、自治体によって申請窓口の名称は異なると思います)へ行きます。窓口で書類を提出し、補聴器購入費の福祉助成の申請を行います。

手順5. 障害福祉課から助成受理通知が届く

約2ヶ月弱ほどで、福祉助成の受理通知が郵送で届きます。「補装具費支給決定通知書」という書類で、助成される金額が明記されていると思います。

この時、同時に補聴器ショップ側にも助成申請が受理された旨の連絡が入ります。

手順6. ショップで補聴器を注文・購入

申請が受理されたら、再び補聴器ショップへ行き、補聴器の購入(注文)に進みます。ショップ側にも通知が行っていますが、念の為、受理通知を持参しましょう。

ここからは各ショップで対応が異なると思いますが、機種を決めたら正式注文をし、商品入荷後に音の設定をしてもらい、その後お支払いとなるのが一般的かと思います。購入時は印鑑も必要になると思います。

私の母の場合は、入荷までの間、同様の機種をレンタルして2週間お試しをさせてもらいました。補聴器の音作りの設定は簡単に機種間で移行できるようで、最初のレンタル品で聞こえにくかった音・耳障りで嫌だった音を伝えれば、正式購入品の設定にその修正を反映する、ということができるようでした。今どきの補聴器は本当にすごいですね。

以上で、福祉助成での補聴器購入の流れは終了です。

最近の補聴器の技術は本当にすごいです。まさに技術の結晶です。補聴器にできないことももちろんあるけれど、補聴器にできる部分は補聴器に任せて、少しでも過ごしやすい生活を送ることができれば良いですよね。