Kindleおすすめ小説ランキング~BL小説・男同士の特別な関係編

Kindle本

こんにちわ。
Kindleで読めるおすすめ小説で、BL作品や男同士の特別な関係が描かれている作品で、文学としておもしろかったものをご紹介します。

第7位:『白昼堂々』 長野まゆみ

1976年初冬。由緒ある華道家元の若き跡継ぎである原岡凜一は、従姉・省子の男ともだちだったアメリカンフットボール部のエース氷川享介と出逢う。その邂逅が、やがて二人の運命を変えていくことに……。冬から春、やがて夏へと移ろう季節の中で、彼等の思いはどこへ向かうのか。凜一の希みは叶えられるのか。少年たちの切ない恋を描く好評シリーズ第1弾。
出典:マリアビートル (角川文庫) |Kindleストア

切なさ:★★
美しさ★★
BL度★★

BL文学の王道といえば長野まゆみさんです。従姉の省子に容姿が似ている美少年・凛一と、その彼氏・氷川享介。少年・少女を取り巻く純粋な恋心にはかない美しさを感じます。

『白昼堂々』は2人の出会い編で、凛一シリーズはこのあと碧空彼等若葉のころと続き、4部作になっています。気に入った方はぜひチェック!

第6位:『まほろ駅前多田便利軒』 三浦しをん

三浦しをんの出世作! 第135回直木賞受賞作! まほろシリーズ第一弾!
まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦が転がり込み、二人は様々な依頼に精を出す。ペット預かりに塾の送迎、納屋の整理……ありふれた依頼のはずが、このコンビにかかると何故かきな臭い状況に。
予言する曽根田のばあちゃん、駅裏で夜の仕事をするルルとハイシー、小学生の由良、バスを監視する岡老人……個性的な依頼人たちが登場し、抱腹絶倒かつ心温まるストーリーを展開。そんな中、多田と行天の過去が次第に明らかになり、二人の抱えるものと生き方が、読者の心に突き刺さる!
出典:まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫) |Kindleストア

切なさ:-
文学度★★
友情度★★

男2人の友情系です。まほろ市(という架空の都市)の駅前にある便利屋「多田便利軒」を営む多田啓介と、彼の元へ転がり込んできた変わり者の行天春彦の2人を中心に展開する、心温まるドタバタ軽快ストーリー。

まほろ駅前シリーズとして、『まほろ駅前番外地』『まほろ駅前狂騒曲』と計3冊出ており、瑛太と松田龍平で映画・テレビ化もされています。

第5位:『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU』 皆川博子

18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男性。増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が……解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくときに哀しい不可能犯罪に挑む。
出典:開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)|Kindleストア

切なさ:★
文学度★★
友情度★★★

解剖学教室の個性豊かな5人の弟子達のお話。容姿端麗なエドワードと、天才細密画家・ナイジェルの2人を中心に、事件の真相が紐解かれていきます。こちらもBLとまでは言えないですが、少し弱々しい印象のナイジェルを気遣うエドワード、という2人の構図にほっこりします。

舞台がロンドンの解剖学の教室ということで、少々わかりにくい情景かと思われますが、純粋で互いを信頼しあう少年達のストーリーなので、意外と読みやすいです。

第4位:『李歐』 高村薫

惚れたって言えよ―。美貌の殺し屋は言った。その名は李欧。平凡なアルバイト学生だった吉田一彰は、その日、運命に出会った。ともに二十二歳。しかし、二人が見た大陸の夢は遠く厳しく、十五年の月日が二つの魂をひきさいた。『わが手に拳銃を』を下敷にしてあらたに書き下ろす美しく壮大な青春の物語。
出典:李歐 (講談社文庫)|Kindleストア

切なさ:★★★
文学度★★★
友情度★★

1992年『我が手に拳銃を』を改稿改題した作品。平凡なアルバイト学生・吉田一彰が美貌の殺し屋・李欧(りおう)と出会い、お互いに惹かれ合いながらも別れ、そして再会するまでのストーリー。

黒髪イケメンで5ヶ国語を操り、拳銃の腕もプロ級、それでいて美しく歌って舞う…とにかく人間離れした魅力的な李欧に引き込まれます。平凡なアルバイト学生(言うほど平凡ではない)の吉田の方は、まだ常識的な日本人に近いので感情移入しやすいです。

裏社会が舞台で、大陸(中国)のことや中国語なども登場するので、テーマ的にやや難解ですし、淡々と暗い雰囲気でストーリーが進行するので、好き嫌いはあるかも…

ごめんなさい、Kindle化されてませんでした…

第3位:『マリアビートル』 伊坂幸太郎

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。闇社会の大物から密命を受けた、腕利き二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯する――。小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!
出典:マリアビートル (角川文庫) |Kindleストア

切なさ:-
文学度★★★
友情度★★★

東北新幹線の車内で繰り広げられる殺し屋たちの駆け引き。展開も早くてスリル満点。怪我をさせられ入院中の息子を持つアル中気味の元殺し屋・木村おじちゃんと、サイコパス中学生の「王子」が中心のストーリーですが、同じ新幹線に居合わせた殺し屋たちのキャラクターが立っていて一気に引き込まれます。

ストーリーの中核ではないですが、サブ登場人物の二人組の殺し屋・檸檬と蜜柑がすごく良い。ともに背が高く(たぶんイケメン)、クールで知的で読書好きな蜜柑と、機関車トーマスが大好きで自由奔放な檸檬。BLな関係ではないけど、お互いを知りつくし信頼しあっている雰囲気がビンビン出ていて微笑ましいです。

たくさん人も死にますが、とにかく展開が早くてイッキ読み必至です。まさにエンターテイメント小説です!何度読んでも、サイコパス中学生だけは胸糞悪いですけど…

尚、山田涼介主演で映画化された『グラスホッパー』というタイトルの続編なので、こちらを先に読んでください。グラスホッパーの主人公が、マリアビートルにも登場します。

第2位:『月魚』 三浦しをん

古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていき…。透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。
出典:月魚 (角川文庫)|Kindleストア

切なさ★★★
文学度★★★
BL度★★

これは完成度の高いBL文学小説のバイブルです。古書店を一人で切り盛りしている、線の細そうな真志喜(ましき)と、古書のせどり屋である男らしい瀬名垣(せながき)。(せどりとは、本に限らず、自分の目利きで仕入れた商品を同業者に転売して利益を得る仕事です。)過去の出来事をきっかけに、お互いに引け目を感じているもどかしい関係になっているこの2人が主人公です。過去に何があったのか気になりつつ、2人の微妙なすれ違いと愛情を表に出せさない息苦しさがよく伝わり、とにかく切ない。

あまり馴染みのない古書の世界を舞台にしていますが、ストーリー展開のテンポも良く、美しい情景描写や2人の微妙な距離感などが絶妙に描かれていて、純粋に文学作品としてもかなり秀逸です。私は3回くらい読みましたが、とにかく美しい物語という感じ。

直接的なBL性的表現は少ないですが、完全にそういう関係です。「BLや同性愛はちょっと…」と思っている方にも読んでもらいたい文学作品です。

第1位:『聖なる黒夜』 柴田よしき

東日本連合会春日組大幹部の韮崎誠一が殺された。容疑をかけられたのは美しい男妾あがりの企業舎弟……それが10年ぶりに警視庁捜査一課・麻生龍太郎の前に現れた山内練の姿だった。あの気弱なインテリ青年はどこに消えたのか。殺人事件を追う麻生は、幾つもの過去に追いつめられ、暗い闇へと堕ちていく。ベストセラー「RIKO」シリーズから生まれた究極の魂の物語!上巻に本書サイド・ストーリー「歩道」を書籍初収録。
出典:聖なる黒夜(上) (角川文庫) |Kindleストア

切なさ★★★
文学度★★★
BL度★★★

上下巻に分かれる長編です。一つの殺人事件を取り巻くミステリー&ハードボイルド系のストーリーで読み応えがあります。

殺人事件の容疑者である、暴力団の若頭・山内練(元男妾、美少年)と、殺人事件を追う刑事・麻生。過去に、2人の間にある出来事があり、麻生の方は結婚したり離婚したり、忙しい刑事生活でほぼ忘れかけているけど、練の方はずっとある感情を心に秘めながら裏の世界を生きてきた。練の秘めた切ない想いや不安定な感情が描かれつつ、2人の因縁・確執が少しずつわかってきます。

基本的にはミステリーなので、殺人事件の顛末は下巻の最後までひっぱるのですが、やはり、愛があり憎悪もある、2人の複雑な感情の交差が見どころです。

律儀で真面目に仕事をこなす立派な人格の持ち主である麻生もかなり魅力的ですし、若くて天真爛漫でありながら頭も良く、裏社会で生きる決意を固め成功している練も魅力的。どちらも応援したくなるくらい感情移入します。

巻末に、練が貧乏学生だったころの、2人の一番最初のシーンが描かれていますが、何とも切ない…
本当におもしろいので必読です!

ちなみに、Kindle化されていませんが、その後を描いた続編もあります。あくまで麻生が主人公ですが、練ももちろん登場します麻生は刑事を退職して私立探偵になっています。

以上、Kindleおすすめ小説、BL&男同士の特別な関係編でした。
それではまた!