Kindleおすすめ小説ランキング~感動する・泣けるいい話編 2019.7更新

Kindle本

こんにちわ。優利です。
今まで読んだKindle小説の中で、感動した!泣ける!いい話!と思った作品をご紹介します。もちろんネタバレなしです。

10位:『クライマーズ・ハイ』 横山秀夫

1985年、御巣鷹山で日航機が墜落。その日、北関東新聞の古参記者・悠木は同僚の元クライマー・安西に誘われ、谷川岳に屹立する衝立岩に挑むはずだった。未曾有の事故。全権デスクを命じられ、約束を違えた悠木だが、ひとり出発したはずの安西はなぜか山と無関係の歓楽街で倒れ、意識が戻らない。「下りるために登るんさ」という謎の言葉を残して――。若き日、新聞記者として現場を取材した著者みずからの実体験を昇華しきった、感動あふれる壮大な長編小説。
出典:クライマーズ・ハイ (文春文庫) | Kindleストア | Amazon

シリアスなトーンでものすごく長いので、好みが分かれるかもしれません。テーマは、実際にあった御巣鷹山での日航機墜落事故現地新聞記者の緊張や苦悩と登山。友情・職場・親子、様々な人物関係のヒューマンドラマ的な展開も見事で、男のドラマという感じの大作です。

9位:『暗いところで待ち合わせ』 乙一

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった――。
出典:暗いところで待ち合わせ | Kindleストア | Amazon

よくこんなシチュエーションを思いつくな…という作品。職場や人間関係から逃げ出したいアキヒロが、全盲の女の子ミチルの家に逃げ込んだことから、2人の共同生活が始まる。一日中寝っ転がっていたり、外に出るのが怖くて億劫になったり、友だちから言われる小言に反感を持ったり、ミチルの感情や行動が心に刺さります。そんなミチルがアキヒロと出会って徐々に変化していく。涙なしに読めない作品です。

8位:『楽園』 鈴木光司

遥か遠い昔、愛し合いそして別れ別れになった二人。連れ去られた女を追い求める情熱と、男を待ち焦がれる切ない心が、伝説の〈赤い鹿〉の精霊に守られ、18世紀の南海の小島で、そして現代のアリゾナの地底湖で蘇る。第2回日本ファンタジーノベル大賞、優秀賞受賞作。
出典:楽園 (角川文庫) | Kindleストア | Amazon

『楽園』というタイトルですが、突然、太古のモンゴル砂漠の話から始まるのでびっくりしますが、人類・遺伝子レベルで愛を紡いでいく、という壮大なストーリーです。ファンタジー要素も強いのですが、愛の偉大さや人類の歴史に思いを馳せ、心を揺すぶられました。

第一章が太古のモンゴル砂漠地方、第二章が中世の太平洋と南の島、第三章が現在のアメリカの地底湖、という、時代も地域もバラバラに見える構成ですが、最後に一つにまとまるあたりがさすがの作品です。

7位:『半落ち』 横山秀夫

妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの2日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは――。
出典:半落ち (講談社文庫) | Kindleストア | Amazon

立派で真面目な警察官 梶さんが、妻を殺して自首したけど、最後の2日間の行動についてだけは口を閉ざす。ミステリっぽいストーリーです。「半落ち」の原義は警察用語で、「一部自供した」という意味です。

結末に賛否両論のようですが、私は大いに感動してしました。作品全体を通して、梶さん視点で綴られることは一切無いのですが、検事・裁判官など第三者視点からだけで、梶さんの誠実な人柄がだんだんと浮き彫りになってきます。そんな梶さんが、2日間の行動を隠したかった理由とは? ぜひ読んでみてください。

6位:『鉄道員』 浅田次郎

娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた……。映画化され大ヒットした表題作「鉄道員」はじめ「ラブ・レター」「角筈にて」「うらぼんえ」「オリヲン座からの招待状」など、珠玉の短篇8作品を収録した傑作集。
出典:鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫) | Kindleストア | Amazon

短編集なのですが、どれもこれも感動します。

表題の『鉄道員(ぽっぽや)』は、北海道の裏寂しい鉄道駅で働き続ける駅員さんのお話。北国の言葉がほのぼのとした雰囲気にマッチしていて心地いいです。胸にジーンと来る心温まる名作の代表格です。

5位:『無人島に生きる十六人』須川邦彦

日露戦争、第一次世界大戦に従軍し、商船学校教授・東京商船学校校長を歴任した須川邦彦による冒険実話。「少年倶楽部」に1941(昭和16)年から翌年にかけて連載。明治32年、帆船・龍睡丸は太平洋上で座礁し乗員16名は無人島に上陸。飲み水を確保し、火を起こし、海亀の牧場を作り食料を確保するなど様々な知恵を出し助け合いながら生き延びる。
出典:無人島に生きる十六人 | Kindleストア | Amazon

これは名作!あらすじ通りなのですが、太平洋を探索しようとして航海に出た帆船が無人島(パールアンドハーミーズ環礁)に流れ着き、そこで生き延びていく話です。

明治時代に実際にあった海難事故の話なので結末バレはしているのですが、(多少は脚色されているでしょうけど)なんとも力強くたくましく、かつ他者への思いやりにあふれる古き良き日本人船乗り16人の生き様にはひたすら感動しました。

「無人島で生き延びる」と一言で言っても、何不自由なく普通に暮らしている私達には想像もつかない壮絶さです。まず、水が無いと生きていけない。井戸を掘ったり海水を蒸留したり雨を溜めたり。食料も調達しなければ食べられない、病気になっても薬も医師もいない、いつ通るかわからない船を見つけて救援を求めなければ、一生見つけてもらえないかもしれない…肉体的にも精神的にも本当に過酷です。そんな環境を、知恵と経験、個々の体力とチームワークで切り抜けていく16人の姿には、心を打たれざるを得ないです。

海外ドラマや小説などでは、必ずと言って良いほど食料を独り占めするヤツが現れ、裏切り騙し合い、殺し合いみたいな流れになりがちなのですが、とにかくこの16人はチームワークがすごい。有能で人情あふれるリーダーを筆頭に、古き良き日本人魂を忘れず、常に規律正しく人として正しく、統制のとれた素晴らしい16人。

どの場面も感心と感動の連続なので、ぜひ読んでほしい一冊です。

4位:『博士の愛した数式』 小川洋子

[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。
出典:博士の愛した数式 (新潮文庫) | Kindleストア | Amazon

映画化もされていて、有名すぎますが… 記憶が80分しか保てない数学博士を取り巻く、周りの人の温かさに触れる名作です。数学・数式というのが良いエッセンスになっています。優しい気持ちになれる一冊です。

3位:『最後の医者は桜を見上げて君を想う』 二宮敦人

あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。死神と呼ばれる彼は、「死」を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道もあると説く。だが、副院長・福原は奇跡を信じ最後まで「生」を諦めない。対立する二人が限られた時間の中で挑む戦いの結末とは? 究極の選択を前に、患者たちは何を決断できるのか? それぞれの生き様を通して描かれる、眩いほどの人生の光。息を呑む衝撃と感動の医療ドラマ誕生!
出典:最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫) | Kindleストア | Amazon

病魔に襲われ、いよいよ死が近づいて来た時。どんなに辛くても身が尽きるまで病気と戦うべきという福原医師。死を受け入れ、残りの人生を豊かに過ごすべきという桐子医師。そのどちらが正しいのか、2人の間で揺れる音山医師。

病気による人間の死という重いテーマですし、病気の描写が壮絶でややダメージを受けますが、”人生の最後をどう生きるべきか“という、正解のない問題について考えさせられる名作です。

2位:『椿山課長の七日間』 浅田次郎

椿山和昭は働き盛りの46歳。過労で倒れ、現世と来世の中間にある中陰の世界で目が覚める。やり残した仕事、愛する家族を思うと、どうしても自分の死を受け容れられず、現世に戻ることを願い出る。許されたのは初七日までの三日間。中陰でかけられた「邪淫の罪」の疑いも晴らすため、美女の肉体を借り現世に戻るが――。死後の世界を涙と笑いで描いた感動的なファンタジー。
出典:椿山課長の七日間 (朝日文庫) | Kindleストア | Amazon

仕事を一生懸命にこなすサラリーマン・椿山課長が突然過労死してしまう。この世に未練がある死者たちに、特別ルールで現世に戻るチャンスが与えられ… という、笑いあり涙ありファンタジー要素あり、なお話です。死がテーマですが、コミカルで明るい要素が多いので楽しくスラスラ読めます。

椿山課長以外にも現世に戻るキャラクターがいるのですが、死者それぞれ残した人との絆があり、想いがある。いろいろな人間模様が見事に描かれ、最後のシーンまでホッコリ感動しました。明るくおもしろいのに泣いてしまう、そんな名作だと想います。

1位:『天国までの百マイル』 浅田次郎

主人公の城所安男は、自分の会社をつぶしてしまい、いまや別れた妻子への仕送りもままならぬほど落ちぶれた中年男。ある日、心臓病で入院する母を見舞った安男は、主治医から病状の深刻さを告げられ愕然とする。そのまま治療を続けても母の余命はごくわずか。残された道はただひとつ、謎の天才外科医にバイパス手術を施してもらうこと。衰弱した母をワゴン車に乗せた安男は、房総のひなびた漁村にあるカトリック系病院目指して、100マイルの道のりをひた走る。はたしてその先に奇跡は待っているのか――。
出典:天国までの百マイル (朝日文庫) | Kindleストア | Amazon

同じく浅田次郎さんなので、好みが出ちゃってますが…好きすぎて3回くらい読みました。誰でも直面しうる母親の老いと病気。冴えない中年男が、大好きな母親の病気のために、奇跡を信じて奔走するお話です。多くの人が、自分と重ね合わせて共感してしまうのではないでしょうか。母親思いで優しい主人公はもちろん、主人公を取り巻く周りの人たちの温かさもジーンと心に染みます。

タイトルからして”お涙頂戴モノ”でしょう!?と思ってしまうのですが、お涙頂戴どころではないです。最後の方は、電車の中で読むのはやめましょう… つい調べてしまいましたが、100マイルは約160kmだそうです。

 

以上です。
また感動の名作に出会ったら追記していきたいと思います。
それではまた!