こんにちわ!優利です。
先日、実家近くの公園を散歩していたら、見知らぬおばさんと立ち話になりまして、たまたまその方が難聴気味だということで(私の母の)補聴器関連の体験談を話したら、「思わぬところで良い話が聞けて参考になって良かったわ」とすごく喜んでいただきました。
なので、話した内容をこちらにまとめて書いておきます。
早めに補聴器に頼るべき
補聴器で会話が劇的に改善
いきなりですが、一番言いたかったことがこれです。
難聴で悩んでいる方は、早めに補聴器導入を検討してほしいです。
うちの母は50代頃から難聴気味でしたが、加齢とともに年々症状が悪化し、70代となった今は完全な高齢性難聴。しかも身内の不幸等で一時的に精神的ストレスが加わった時は本当に難聴がひどく、こちらの話した言葉はほぼ聞き取れずに一方的に母が話し続ける、という具合で全く会話が成り立たない状況でした。電話口で会話した際は、一方的に話し続ける母を遮る言葉も届かず、電話口で何度「ちょっと待って!」と怒鳴ったことか… 本当に絶望的でした。
それが、補聴器を買い替え、万全にメンテ・調整してもらっている今は、全く会話に支障が無いのです。本当に。以前のアレはなんだったんだ…と思うくらい、全く会話に支障なし。下品な話で恐縮ですが、食卓で会話している時に私がプッとおならをした音まで聞こえたようで、「いやぁね!」「ごめん!」とお互い笑い合う。下品なシチュエーションですが、感動しました。
最近の補聴器は小型で高性能
ちなみに、今の時代の補聴器は本当に機能が優れているのはもちろん、小型でデザインがお洒落。最近の機種なら、「補聴器は恥ずかしい」という感情はあまり沸かないのではないでしょうか。
私の母はシーメンスというメーカーのものですが、一昔前の補聴器とは似ても似つかないものばかりです。
補聴器の違和感はすぐ慣れる
補聴器は人と会わない日でも、朝起きたら装着して夜就寝前に外す、一日じゅうつけっぱなしが推奨されています。
最初は、耳に圧迫感があるものの、そこはなんとか慣れるようです。(圧迫が強くて痛い場合は、耳栓部分のサイズを交換してもらったほうが良いと思います。)また、聞こえが良くなると当然周囲の環境音も大きく聞こえるようになり、風の音などがいちいちうるさく感じるようですが、こちらも慣れるようです。
高齢者なら認知症予防の観点からも補聴器は必要
「認知症予防」と言ってしまうとちょっと語弊がありますが、難聴を放っておくと認知症が進むと言われています。聞こえない状態、つまり音の刺激もなく、音を日本語として聞きとり認識する能力を使わないでいると、脳が鈍ってしまうようです。ですので、高齢者の場合は、早めに聴力の改善をはかりましょう。
補聴器は技師による調整が超重要
二番目に言いたかったことです。
補聴器はどんなに優れた製品であっても、装用者の聴力特性にあわせた調整をしないと十分な効果を発揮できません。
私の母は、3〜4年ほど前に購入した補聴器を使用していましたが、近所のショッピングセンター内の補聴器取り扱いのある眼鏡屋さんで購入したまま、ずっと使い続けていました。きちんとした技師が調整してくれなかったのか、使い続けているうちに合わなくなったのか、どちらかはわかりませんが、とにかくほとんど機能していませんでした。
私の母はシーメンスというメーカーの補聴器でしたので、メーカーの直営ショップへ聴力検査の結果を持参し、メーカー直属の補聴器技師の方に周波数の設定をしてもらったのですが、それだけで劇的に聞こえが改善されました。
「補聴器をしているけど、あまり効果を感じられない」という方がいたら、ぜひ調整をしてもらってください。
聴力検査の結果です。○が右耳、✕が左耳を表しています。(コの字は骨伝導を表しているそうです。)普通の会話の音量は60dB(デシベル)、小声の会話は30dB。1,000〜2,000Hz(ヘルツ)以降の高い音で(60dBよりだいぶ)グラフが下がっているので、高い音が聞こえていないことを表しています。
補聴器は5年使用が目安
補聴器は5年使用が目安だそうです。5年ほど使用したら買い替えを検討したほうが良いそうです。
今の技術の進歩はすごいので、マイクの集音感度や指向性(=音の方向)、ノイズキャンセル(=騒音はカットする)など、数年前から飛躍的に変わっているようなので、新しい製品の方が快適に使えると思います。
また、5年間放置ではなく、3〜4ヶ月に一度程度メンテナンス(再調整・耳栓のクリーニング等)を受けると良いそうです。
両耳で機種を揃えること
うちの母は、特に悪かった左耳用のみ購入し、その1年後に右耳用もしたという経緯があって左右で機種が違っていました。ですが、これが良くないとのこと。
左右の耳で音の方向を認識したり補いあったり、補聴器自体も2つで連携をとることで本来の性能が発揮できるので、できるだけ同じ機種で両耳用を揃えて購入してください。
高齢者におすすめな充電タイプの補聴器
今の補聴器は小型ですので、中に入っている電池もすごく小さいのですよね。ですが、高齢者の方にとっては電池の入れ替えが結構苦になるそう。悪いケースだと、電池交換が億劫で補聴器常用をやめてしまう高齢の難聴者もいるんだとか。というわけで紹介頂いたのが、充電タイプの補聴器です。
かなり高額にはなってしまうのですが、「毎晩、補聴器を耳から外したらポコンと穴に入れるだけ」という気軽さでこちらに買い替えました。実際に母が今も毎日使用していますが、口コミとしては「本当にラクでありがたい、便利な時代に感謝です」だそうです。
数年前に購入した補聴器が2つで40万円くらいだったのですが、こちらは充電器も含めて60万円程度でした。高いですけどね…
まずは補聴器認定医で相談
何はともあれ、難聴や補聴器関連のことは、まず補聴器認定医に指定されている耳鼻科の先生に相談することです。
・身体障害者手帳の交付(公共交通機関の割引等)
・補聴器購入の助成金申請(6万円程度の補助金)
・聴器購入費が医療費控除扱いにできる書類(節税)
といった難聴・補聴器関連についての行政手続き関連も、補聴器認定医の先生なら熟知していますので安心です。
▽補聴器相談医名簿
http://www.jibika.or.jp/members/nintei/hochouki/hochouki.html
私は失敗してしまったので声を大にして言いたいのですが、大学病院などで補聴器認定医ではない先生に当たってしまうと、適切な指示を得られない場合があるので、絶対に「補聴器認定医」に指定されている先生に診察してもらってください。
まとめ
長くなってしまったのですが、本当に言いたいことは次の3つです。
- 難聴で悩んでいる方(特に高齢の方)は、早めに補聴器導入を検討してください。
- 補聴器導入や身体障害者手帳取得など、まずは補聴器認定医の先生に相談してください。
- 補聴器装着していてもあまり効果を感じられない場合は、補聴器技師に適切な設定・メンテナンスをしてもらってください。
母は、補聴器のおかげで生活が変わるほどに劇的に聞こえが改善されました。そんな母と会話をする私のストレスも劇的に減りました。たったあれだけのことで、こんなに快適に暮らせるようになるなら、もっと早くしていれば良かったと後悔すらしています。ですので、補聴器の可能性をたくさんの人に知ってもらいたいと思っています。
補聴器って、本当に素晴らしい人類の技術の結晶だと思っています。本当に感謝しています。安くはないですが…
というわけで、それではまた!