東京都では、不妊治療の助成金制度があります。
年齢・所得の制限がありますが、失敗・成功に関わらず数十万円単位の治療費が戻ってきますので、ぜひ活用させて頂きましょう。
以下、東京都の公式説明のページなのですが、やや難しいので、必要書類などををざっくり解説したいと思います。
▽東京都特定不妊治療費助成の概要 東京都福祉保健局
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/kosodate/josei/funin/top.html
なお、東京都内に二人で生活している普通の夫婦向けに書きましたので、事実婚や別居中など特殊な場合は参考にしないでください。
不妊治療費助成申請の期限
不妊治療が終了した日が属する年度末(3月31日)までに申請が必要です。
申請期限を過ぎた場合は助成対象となりませんので、体外受精の判定が終わったら、忘れずにすぐ申請しましょう。
不妊治療費助成対象の治療
助成の対象となる治療は、体外受精及び顕微授精です。
不妊治療費助成を受けられる対象者
妻の年齢
治療開始日時点で、妻の年齢が39歳まで。
治療開始日というのは、採卵を開始する準備初日の診察日になります。
夫婦の所得合計
平成31(2019)年4月1日以降に開始した「1回の治療」につきまして、所得制限額を905万円未満に緩和しました。
出典:東京都特定不妊治療費助成の概要 東京都福祉保健局
と、大変ありがたい情報が掲載されています。
以前は、制限所得が730万円とかなり低めだったので、多くの共働き世帯がこの所得制限にひっかかってしまったのではないでしょうか。これを読んでる方は、おそらく治療開始日が2019年4月以降だと思うので、こちらの所得制限緩和が適用されることと思います。
申請日の前年(1月から5月までに申請する場合は前々年)の夫婦の合算の所得額が基準になるので、所得を調べてみましょう。
夫婦二人の源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」の欄を足せば905万円かどうかわかりますが、目安としては、二人の合計年収が1000万をちょっと超える程度ならセーフだと思います。
不妊治療費助成の金額
- 治療ステージA:20万円(30万円)
- 治療ステージB:25万円(30万円)
- 治療ステージC / F:7.5万円
- 治療ステージD / E:15万円(30万円)
※初めての場合は、()の金額が適用
治療ステージA〜Fの区分については、図を見るとわかりやすいです。
採卵して凍結胚を移植した場合は治療ステージ=B、以前採卵して凍結しておいた胚を移植するだけの場合は治療ステージ=C、となります。
でも、初めてのBの申請だったら、30万円なので注意です。
不妊治療費助成申請に必要な書類
それでは、申請に必要な書類を集めます。
①特定不妊治療費助成申請書(原本)
「申請書」は自分で作成する書類です。
ExcelタイプとPDFタイプがあり、以下のページからダウンロードできます。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/kosodate/josei/funin/shinsei.html
②特定不妊治療費助成事業受診等証明書(原本)
「受診証明書」は病院に作成してもらう書類です。
書類作成費用として、1通5,000円程度、1週間前後で作成してもらえるのが一般的なようです。
この書類の「今回の治療方法」の欄に治療ステージA〜Fの記載がありますので、確認しましょう。
注意!区の助成事業も確認
私は練馬区在住なのですが、東京都の助成に加え、練馬区でも助成を受けられるとのことでした。「東京都の助成の審査が通れば、区からも助成金が貰える」というものです。
ただし、練馬区の場合は1点注意点があり、東京都の審査に使う「受診証明書」を予め練馬区でコピーしておいて、都の審査通過後にそのコピーを練馬区に提出しないといけない、という謎の手順を踏まないといけないそうなのです。自分でコピーするのではNGで、練馬区に行ってコピーをとってもらい、「区でコピーしました」という証明印を受ける必要があるとのことで、大変面倒でした。
病院に聞けば教えてもらえると思いますが、お住まいの自治体の助成についても予め確認しておきましょう。
③住民票の写し(原本)
「住民票の写し」は、区役所に行けば1通300円前後で難なく取得できます。
区役所で保管されているのが「住民票(の原本)」、300円払うと取得できるのが「住民票の写し」です。「住民票の写し」をコピーしても証明書としては使えませんのでご注意くださいね。
尚、マイナンバーの記載有無を選べるのですが、経験上、マイナンバーを記載してしまうと使えなくなるケースが多い(「住民票 ※マイナンバーの記載の無いもの」という指定が多い)ので、マイナンバーは記載なしにすると無難です。
尚、1度に2治療分を申請する場合や、2度めの申請の場合は不要です。
④戸籍全部事項証明(戸籍謄本)
「戸籍謄本」は厄介ですね。自分の戸籍がある自治体に依頼しないと取得できません。
結婚した時に夫側の住所に籍を入れる人が多いでしょうか。運転免許証を持っていれば記載されていると思いますが、正確な戸籍(住所の番地)がわからないと取得できません。
自分の戸籍のある自治体のホームページを見て、「郵送による戸籍証明書等の取得」について書かれている通りにしましょう。
通常、以下のものを封筒で送ればOKでしょう。
・戸籍謄本申請書
・本人確認書類のコピー(運転免許証のコピー)
・手数料(450円ぶんの定額小為替証書)
・切手貼付&宛名記載済の返信用封筒
定額小為替証書は、郵便局で購入できます。切り離したり何かを書き込んだりせず、そのまま封筒に入れましょう。
2019年10月より郵便料金が変わったので(一番安い封筒の郵便は82円から84円になりました)、返信用封筒に貼る切手の金額に注意しましょう。
プチ情報としては、枚数が大量になる戸籍謄本(昔の親の戸籍謄本など)は切手代が足りなくなって大変面倒なやりとりが発生するケースがあるので、そんな心配がある場合は、切手を同封しておくと間違いないです。
⑤夫婦両方の住民税課税(非課税)証明書
「住民税課税証明書」は自分が区役所に行けば、自分の分はもちろん、夫の分も取得できます。こちらも1通300円でした。
取得できたら、一応、所得金額の合計が905万円未満であることを確認しましょう。
【追記】今見たら、所得審査のための添付書類早見表というのが記載されていました。
- 2019年6月〜2020年5月に申請:2019年度の課税証明書
- 2020年6月〜2021年5月に申請:2020年度の課税証明書
⑥領収書のコピー
「領収書のコピー」は簡単ですね。
助成してもらう金額を「申請書」に記入する欄があると思いますが、その金額を超える領収書を探してコピーをとればOKです。30万円とか15万円とか、余裕で超えますからね。
⑦通帳または銀行カードのコピー
これは必須ではありませんが、振込先の銀行口座の通帳(またはカード)のコピーの同封にご協力ください、と書いてありましたので、一応。
書類の郵送先
これらの書類を以下の申請先に送ります。
書類は返してもらえませんので、一応自分用にコピーを持っておくと良いです。
〒163-8001
東京都新宿区西新宿二丁目8番1号
東京都 福祉保健局 少子社会対策部 家庭支援課 助成担当
(東京都都庁第一本庁舎28階)
簡易書留や特定記録郵便がオススメらしいですが、配達記録がそんなに大事とは思えないので、私は普通郵便で出しました。
不妊治療の助成金はいつもらえる?
申請を受けてから約2か月後に審査結果通知をお送りします。
結果通知の約1か月後に、指定された口座に助成金を振り込みます。
出典:東京都特定不妊治療費助成の概要 東京都福祉保健局
と書いてありました。
2ヶ月かかるとはさすがお役所仕事ですね。普通の会社で仕事してたら、1つの書類の受理に2ヶ月かかるなんて考えられません…
以上でざっくりの解説は終了ですが、あくまで公式は以下なので、よく読んでみてくださいね。
▽東京都特定不妊治療費助成の概要 東京都福祉保健局
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/kosodate/josei/funin/top.html
それではまた!